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隠れ脳梗塞

隠れ脳梗塞とは何か?
無症候性脳梗塞とは

隠れ脳梗塞とは、脳ドックなどで偶然発見される軽度の脳梗塞のことです。脳の細い血管が詰まることで、周囲の脳細胞への血液供給が不足し、異常が見られますが、「無症候性脳梗塞」という名前の通り、身体に自覚症状はほとんど現れません。

無症状の脳梗塞が進行する
危険性

無症状の脳梗塞が進行する危険性隠れ脳梗塞が危険な理由として、以下のことが挙げられます。

  • 小さな脳梗塞が増えることで血管性認知症に繋がる可能性がある
  • 脳出血を招く危険性がある
  • 初めて脳梗塞を起こした患者の65%以上に隠れ脳梗塞がある
  • 隠れ脳梗塞を持つ人は持たない人と比べ脳卒中になる確率が10倍以上ある など

隠れ脳梗塞は無症状のため、その時点ではリスクが少ないように見えますが、将来的により深刻な脳疾患を引き起こす可能性があるサインと考えられます。

隠れ脳梗塞の原因となる
危険因子

脳の細い血管が詰まる主な原因は、高血圧が長期間続くことで動脈が硬化することです。この動脈硬化が進行すると、太い脳血管や心血管に影響を及ぼし、最終的には脳に重大な影響を与える脳梗塞を引き起こすことがあります。動脈硬化を起こす原因は、以下のような危険因子があります。

隠れ脳梗塞の原因となる危険因子
  • 糖尿病
  • 高脂血症(高コレステロール血症や高中性脂肪症)
  • 過度な飲酒・喫煙
  • 肥満
  • 睡眠時無呼吸症候群 など

隠れ脳梗塞を予防するには、生活習慣を改善して、危険因子を抑えることも重要です。

隠れ脳梗塞になると血管性
認知症リスクが高まる!?

隠れ脳梗塞は血管性認知症のリスクを高めます。血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などの脳血管の病気が原因で発症し、記憶障害や歩行障害、転倒、頻尿、麻痺、感情失禁などの症状が現れます。

血管性認知症とは

血管性認知症は、脳血管障害によって脳が損傷を受けて発症する認知症です。認知症の中ではアルツハイマー型認知症に次いで多く、発症は男性の方が女性よりも多い傾向があります。ただし、脳のどの部位が障害を受けるかによって、現れる症状は大きく異なります。

アルツハイマー型認知症との違いは!?

アルツハイマー型認知症は記憶障害から始まり、徐々に認知機能障害が顕著になります。一方、血管性認知症は脳に問題が生じた部位に応じた機能だけが著しく低下し、症状にバラつきが見られます。忘れていることと覚えていることの差が大きかったり、日によって症状が異なったりする場合は注意が必要です。また、脳卒中が繰り返し起こると、症状が段階的に進行します。

隠れ脳梗塞の治療

病院で行う治療と生活習慣の見直し

病院で行う治療と生活習慣の見直し隠れ脳梗塞の治療には、血圧をコントロールするために降圧薬が処方されることが多いです。また、血液をサラサラにする「抗血小板薬」は本格的な脳梗塞の治療に用いられますが、隠れ脳梗塞には推奨されていません。
しかし、隠れ脳梗塞を放置すると、本格的な脳梗塞や認知症のリスクが高まります。定期的に脳ドックを受け、早期発見を目指しましょう。高血圧は隠れ脳梗塞の主要な原因なので、生活習慣を見直して血圧を管理することが重要です。
また、脳梗塞の後遺症治療にはサイトカイン療法が推奨され、神経細胞の再生や血管損傷の回復をサポートします。

かくれ脳梗塞の予防・対策

隠れ脳梗塞への対処法には、ご自宅で行える予防策と病院で処方される薬による治療があります。ご自身でできる予防方法は以下の通りです。

かくれ脳梗塞の予防・対策
  • 食習慣の改善
  • 適度な運動
  • 適度な飲酒
  • 水分補給 など

これらを生活習慣に取り入れ、隠れ脳梗塞を予防しましょう。

食習慣の改善

高血圧を防ぐためには、減塩が効果的です。塩分の摂取は1日6グラム未満が推奨されており、だしを活用して料理の塩分を減らしたり、汁物を飲み干さない工夫が有効です。また、動脈硬化の原因となる血中コレステロールを減らすためには、野菜や海藻、果物、大豆などを中心にした食事を心がけ、脂質の量をコントロールすることが重要です。

適度な運動

適度な運動を行うことで、平常時の血圧が下がり、内臓脂肪を燃焼させることができます。これにより、脳梗塞の原因の1つである脂質異常症を防ぐ効果があります。また、汗をかくような中程度から強度の運動を週に4回以上行うと、脳卒中のリスクが低下するという報告もあります。

適度な飲酒

過度な飲酒は肥満や脂質異常症、高血圧を引き起こすため、飲酒は控えめにしましょう。日本酒では、1日平均3合以上飲む人は脳卒中のリスクが高まるとされています。一方、1日平均1合未満の人は脳梗塞のリスクが低くなるという研究結果もあります。

水分補給

水分補給をしっかり行うことで脳梗塞の予防に繋がります。水分が不足すると血液がドロドロになり、血管が詰まりやすくなります。特に夏場は体の水分が奪われやすいため注意が必要です。また、脳梗塞は夜間にも発生しやすいため、夕食後や入浴後にも水分を補給することが重要です。