- 心筋梗塞とは
- 前兆や初期症状は!?
心筋梗塞の症状チェック - 心筋梗塞の原因は動脈硬化!?
- 心筋梗塞になりやすい人の特徴
- 心筋梗塞の検査
- 心筋梗塞の治療
- 心筋梗塞の診断後に守るべき生活習慣の要点
- 心筋梗塞の予防法(食事・運動)
心筋梗塞とは
心筋梗塞は心臓の筋肉が死滅する危険な病気
心筋梗塞とは、心臓に血液を送っている冠動脈が閉塞することで心臓に血液が行きわたらず、心筋が酸素不足となって壊死する病気です。心筋梗塞を発症すると、突然の激しい胸の痛みに襲われ、突然死の原因も挙げられる危険な病気です。
急性心筋梗塞とは
急性心筋梗塞とは、冠動脈に血栓が詰まることで急激に発症します。急性心筋梗塞は年間で約15万人が発症し、そのうちの約30%の方が亡くなっていると言われています。発症すると一刻を争う事態となるため、迷わずに救急車を呼びましょう。
前兆や初期症状は!?
心筋梗塞の症状チェック
心筋梗塞の前兆には、以下のような症状があります。
- 胸の痛み、圧迫感がある
- 不整脈がある
- 急に激しい動悸が起こる
- 脈拍が異常に速くなる
- 脈拍が飛ぶ感じがする
- 胸やけがする
- 腕、肩、歯、顎に痛みがある
- 胸痛が数分以内に治まる
- 胸痛が繰り返しある
- 階段や坂道を上る時に、症状が出やすい など
上記のような症状を繰り返す場合は、心筋梗塞の前兆の可能性があり、注意が必要です。大阪市北区のゲートウェイクリニック大阪梅田へお早めにご相談ください。
受診の目安
心筋梗塞を起こす方の約半数は、発症する1~2ヶ月以内に、前兆を経験しています。前兆である胸の痛みや圧迫感は、最初は5~10分程度繰り返され、徐々に大きく激しく頻度も増していきますが、安静すると治まるのが特徴です。そのため、医療機関を受診せずに放置されがちです。しかし、この段階で医療機関を受診しないと、ある日突然、激しい胸の痛みに襲われる可能性があります。
しかし残りの半数の方は、前兆なしに突然発症します。また糖尿病、高血圧、高齢の方は、自覚症状に乏しいことがしばしばあるため、注意が必要です。そのような方でも、不整脈や動悸などの前兆症状が現れたら、心筋梗塞を疑って医療機関を受診しましょう。
心筋梗塞の原因は
動脈硬化!?
心筋梗塞の主な原因は、動脈硬化です。冠動脈にコレステロールが沈着すると、プラークが形成され、血栓ができやすくなります。冠動脈が血栓で閉塞すると、血液が心臓に送られず、酸素不足となった心筋が壊死を起こします。
心筋梗塞になりやすい人の
特徴
心筋梗塞になりやすい人の特徴は、以下の通りです。また、心筋梗塞の主な原因は動脈硬化のため、高齢になるほど心筋梗塞の発症リスクも高まります。
- 糖尿病、高血圧症、脂質異常症などの生活習慣病がある方
- 肥満体型の方
- 狭心症を起こしたことがある方
- 喫煙習慣のある方
- 運動不足の方 など
心筋梗塞の検査
血液検査
心筋が壊死すると、血中にタンパク質が漏れ出します。
CPK、CK-MB、トロポニンT、NT-proBNPなどの項目を調べます。
心電図検査
心筋梗塞では心電図におけるST波の上昇が認められ、狭心症ではST波の低下が認められます。
心電図検査で血管の閉塞部位や範囲も推定できます。
超音波検査(心エコー検査)
心エコー検査では、プローブと呼ばれる機械を検査部位に当て、体内の臓器から跳ね返ってくる超音波を画像として映し出し、心臓の構造・動き・血流の状態を観察します。
心筋梗塞では、心室の収縮性の低下や消失が認められます。
胸部X線検査
心筋梗塞で左心不全が起きている場合は、肺うっ血や心拡大が認められます。
心臓カテーテル検査
腕や足の付け根の動脈からカテーテルを挿入し、冠動脈に造影剤を流してレントゲンで観察し、冠動脈の狭窄や閉塞の有無を確認します。
心筋シンチグラム検査
体内に注入したラジオ・アイソトープ(放射線同位元素)を標識とする血液の流れを測定する検査です。
心筋梗塞を起こしている場合は、発症部位に向けてラジオ・アイソトープの集積が認められます。
心筋梗塞の治療
心筋梗塞の治療は、一刻も早く閉塞した冠動脈を再開通させる必要があります
通常は、検査と並行して初期治療である血栓溶解療法を行い、その後に手術を行います。
血栓溶解療法
静脈から血栓溶解剤を点滴投与し、冠動脈の血栓を溶かします。
以前はカテーテルを使用して冠動脈に血栓溶解剤を直接流し込む治療を行っていますが、現在では静脈から点滴投与し、できるだけ早急に手術を行うことが推奨されています。
手術
カテーテル・インターベンション
腕や足の付け根の動脈からカテーテルを挿入し、バルーンやステントを使って冠動脈を再開通させる治療方法です。冠動脈バイパス手術よりも迅速に治療できるため、一刻を争う急性心筋梗塞の場合はカテーテル治療を行うことが多いです。
冠動脈バイパス手術(CABG)
閉塞している冠動脈の先に、新しい血管をつないで血液の流れを確保する手術です。急性心筋梗塞の場合でも、カテーテル治療が難しい複雑病変や冠動脈3枝病変の場合は、緊急で冠動脈バイパス手術を行うことがあります。
心筋梗塞の診断後に守るべき生活習慣の要点
- 内服薬を確実に服用する
- 冠危険因子を改善する
- 適度な運動を心がける
心筋梗塞の治療後は、再発のリスクがあります。治療後は血液が固まるのを防ぐ薬を服用する必要があるため、自己判断で止めず、指示通りに確実に服用しましょう。
冠危険因子とは、心筋梗塞を引き起こす原因となる動脈硬化を進行させる危険因子のことで、一般的には高血圧、脂質異常症、糖尿病、高尿酸血症(痛風)、喫煙、男性、65歳以上などが挙げられます。年齢や性別を改善することはできないため、生活習慣の乱れを改善することが重要です。
ウォーキングなどの軽い運動は、血液の流れを良くしたり、血管をしなやかにしたりする効果があります。適度な運動を日常生活に取り入れるようにしましょう。
心筋梗塞の予防法
(食事・運動)
食事について
塩分摂取は控えめにしましょう
塩分の過剰摂取は高血圧の原因となり、高血圧は動脈硬化を進行させる危険因子の1つです。1日の塩分摂取量は6g以下に抑えるようにしましょう。
動物性脂肪はなるべく避けましょう
動物性脂肪は血液中のコレステロールを増やし、脂質異常症の原因となります。動物性脂肪の多い食品はなるべく避け、植物性脂肪や魚や野菜中心の食事を心がけましょう。
ごはんの大盛りは避けましょう
ごはんやパン、うどんなどの炭水化物は、分解される過程で糖分に変わり、過剰に摂取すると糖尿病を引き起こす原因となります。また、血液中の中性脂肪やLDLコレステロールを増やし、脂質異常症を引き起こす原因にもなります。ごはんの大盛りを避け、バランスの良い食事を心がけましょう。
肉より魚中心の食事を心がけましょう
魚に含まれるドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)には、中性脂肪を減らす効果があります。特にアジ、サバ、イワシ、サンマなどの青魚はDHAやEPAが多く含まれています。肉よりも魚中心の食事を心がけましょう。
野菜、海藻、大豆製品を積極的に摂りましょう
野菜、海藻、大豆製品には、動脈硬化を予防するミネラルやビタミンが多く含まれています。これらを食事に取り入れ、積極的に摂取するように心がけましょう。
食物繊維を積極的に摂りましょう
食物繊維には、血管の炎症を抑える効果や血糖値の上昇を抑える効果があります。食物繊維が豊富なこんにゃく、ゴボウ、海藻類、キノコ類、イモ類を食事に取り入れ、積極的に摂取するように心がけましょう。
栄養バランスの取れた食事を心がけましょう
偏った食事をせず、タンパク質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラル、食物繊維をバランスよく摂取するようにしましょう。また、三食きちんと決まった時間に食べる、間食や夜食を控えるなど、規則正しい食生活を心がけましょう。
運動について
適度な運動を日常的に行いましょう
運動不足だと筋肉量が減り、基礎代謝も落ちて太りやすくなります。ウォーキングやジョギング、水泳などの適度な有酸素運動を日常生活に取り入れ、継続して行うようにしましょう。
積極的に歩きましょう
歩くことは健康維持の基本であり、筋肉を使えば基礎代謝が上がり、動脈硬化の予防に繋がります。1階や2階上に上がるのであれば、エスカレーターやエレベーターを使わずに歩いて上がるなど、日常生活で歩く習慣をつけるようにしましょう。
大股で早歩きをしましょう
運動する時間がない方や運動が苦手な方は、日常生活での歩行を大股で早歩きにすることをおすすめします。ただし、膝や腰に痛みがある方は、無理をしないようにしましょう。